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Haiku OSをインストールしてみる~macOSになり得たかもしれないBeOSの後継~

目次

 

昔話

 さて、VirtualBoxがインストールできたところで、さまざまなOSを試してみましょう。と、ここで少し昔話を。

 

 GAFAなどと呼ばれ株式の時価総額が1兆ドルを超えたアップル。今ではにわかに信じがたいですが、1990年代はいつ倒産してもおかしくないポンコツ企業でした。

 大量の売れない不良在庫を抱えて経営を圧迫しており、次期MacOSの選定を巡って方針が迷走していました。

 「Microsoftが買収するのでは?」「いやIBMだろう」「もしかしたらNEC?」パソコン雑誌にはそんな憶測記事があふれていました。

(今は生産管理のエキスパート、ティム・クックがCEOなので不良在庫で経営悪化なんてないですね)

 そんな中、Macの次期OSとして二つの製品が注目を集めていました。

  1. 元アップルのジャン=ルイ・ガセーが開発したBeOS
  2. アップルを追い出されたスティーブ・ジョブズが開発したNeXTSTEP

どちらもMacではないハードウェアで動いていました。

 

 BeOSはBeBoxというデスクトップPCで動いており、見た目はポップでカラフルなデザインが特徴でした。

 NeXTSTEPはNeXTワークステーションで動いており、シックで落ち着いたGUIが印象的でした。

 かつて秋葉原に「ぷらっとホーム」という会社の実店舗があり、どちらも見ることができました。

 パソコン雑誌の論客は、

「次期MacOSBeOSだ!」「いやNeXTSTEPだ」と根拠なく煽り散らかしていました。

 実際にはアップルがNeXTを買収し、スティーブ・ジョブズがアップルに復帰、次期MacOSにはNeXTSTEPベースのものが採用されました。その後ジョブズiPodiPhoneをヒットさせ、アップルを巨大企業に育て上げたのはみなさんご存じのとおり。

 今のmacOSNeXTSTEPの血を少し引いているBSD UNIX系統のOSです。

 一方のBeOSですが、消えてしまったかというとさにあらず、BeBoxというハードウェアはなくなりましたがPCで動くHaiku OSというオープンソースのOSとして生き残っています。

 前置きが長くなりましたが、今回はこのHaiku OSVirtualBoxにインストールしてみよう、という試みです。流れとしては、

  1. Haiku OS用のISOファイルをダウンロードする
  2. Haiku OS用の仮想マシンを作る
  3. ISOファイルから仮想マシンを起動し、インストールを行う

ということになるかと思います。

 

Haiku OSのインストール

Haiku OSのISOファイルをダウンロードする

ISOファイルの置き場

 ISOファイルを置くディレクトリを作っておきましょう。私はC:\ISO\Haiku-OSとしました。

ISOファイルの置き場

ISOファルのダウンロード

 Haiku OSのダインロードサイトにアクセスします。

https://www.haiku-os.org/get-haiku/r1beta4

 適当なミラーサイトの32-bit版のリンクをクリックします(64-bit版は試して見ましたが私の環境ではインストーラの起動に失敗しました)。Rochester Institute of Technologyはダウンロード時にセキュリティの警告が出たので、私はHaiku Inc.にしました。

Haiku OSのダウンロードサイト

ダウンロード指示

 「名前を付けて保存」を選択します。

ダウンロード指示

 

ダウンロード

 ダウンロードディレクトリをC:\ISO\Haiku-OSに指定して、haiku-r1beta4-x86_gcc2h-anyboot.isoを「保存」します。

ダウンロード

 

ダウンロード完了

 ISOファイルがダウンロードできました。

ダウンロード完了

 

Haiku OS用の仮想マシンVirtualBoxに作る

新規作成

 VirtualBoxを起動して「新規」をクリックします。

VirtualBox起動

Virtual Machine Name and Operating System

 Virtual Machine Name and Operating Systemの画面が開きます。

Virtual Machine Name and Operating System

名前…わかりやすい名前を付けます。私はHaiku OS r1beta4としました。

Folder…G:\VirtualBox VMsとなっています(前回設定しましたね)。

ISO Image…<選択されていません>となっています。

左端のVをクリックして「その他」を選択します(スクリーンショットはありません)。C:\ISO\Haiku-OS\haiku-r1beta4_gcc2h-anyboot.isoを指定します。

タイプ…Otherに変わります。

バージョン…Other/Unknownに変わります。

[次へ]をクリックします。

仮想マシンのハードウェアの設定

Hardware

メインメモリー…4096[MB]に設定します。あまり大きな値にするとインストールに失敗するようなので、4096[MB]ぐらいがちょうど良いでしょう。一度8192[MB]に指定して失敗しました。

Processors…2を指定します。

[次へ]をクリックします。

Hardware

Virtual Hard disk

Create a Virtual Hard Disk Nowを選択し、120[GB]程度を割り当てる。あまり少ないとダメなようです。

☑Pre-allocate Fullsizeにチェックを入れる。

[次へ]をクリックします。

Virtual Hard Disk

概要

 概要が開きます。[完了]をクリックします。

概要

メディア作成

 ハードディスクを作成するのに時間がかかります。

メディア作成

 仮想マシンの作成が完了します。

インストールの実際

インストーラ起動

 作った仮想マシンを選択して「起動」をクリックします。

仮想マシン起動

Welcom to Haiku

 インストーラ画面が開きます。

Language…日本語を選択します。

キーマップ…日本語を選択します。

[Haikuのインストールをクリックします。

インストーラ

Haikuインストーラへようこそ!

[続ける]をクリックします。

ようこそ

警告

 「インストールに適したパーティションが見つかりません」と警告が出ます。

[OK]をクリックします。

警告

パーティションの設定

[パーティションの設定]をクリックします。

パーティションの設定

 

ハーティション設定画面

 パーティション設定画面となります。

ボリューム名VBOX HARDDISKを選択します。

パーティション選択画面

 

右ボタンメニューからフォーマット→Be File Systemを選択します。

フォーマット

フォーマット

 「ディスクをそのままフォーマットしますか?」と聞いてくるので[続ける]をクリックします。

フォーマット

 

フォーマット画面になります。[フォーマット]をクリックします。

フォーマット

 

 「変更をすぐにディスクに保存しますか?」と聞いてくるので[変更を書き込む]をクリックします。

 

 「ハーティションは正常にフォーマットされました」と表示されるので、[OK]をクリックします。

パーティション設定の終了

 パーティション画面に戻るので、左上のDriveSetupの□をクリックします。

パーティション設定の終了

インストール先の選択

 インストーラ画面に戻ります。インストール先に先ほどフォーマットしたVBOX HARDDISKを選択します。オプショナルパッケージはすべてチェックして[開始]をクリックします。

インストール先の選択

インストール

 インストールは意外と早く、20秒ぐらいで終わります。[再起動]をクリックします。

インストール

 

インストールの終了

 仮想マシンが再起動すると、Haiku OSのデスクトップが起動します。

インストールの終了

 とりあえず、インストールは成功しました。4Kディスプレイだと表示が小さいですね。後で調整しましょう。詳細は次回以降ということで、OSをシャットダウンさせます。

 右の羽根アイコンをクリックしてシャットダウン→電源を切るを選択すると、仮想マシンは終了します。

インストールの終了

それではまた。