懊悩煩悶ブログ

物欲にまみれたサラリーマンの悪戦苦闘記録

パソコン少年になりたかった

今日は思い出話です。

 

よくあるベタなシチュエーションで、ニューヨークに住む音楽好きの貧しい黒人の少年が、トランペットが欲しい、でもお金がなくて買えない、楽器屋のショーウィンドーに飾られたピカピカのトランペットを眺めて、うらめしそうにため息をつく、なんていうものがあります。

 

私も似たような経験があります。少年時代、私が欲しかったのはトランペットではなくパソコンでした。元々SF小説が好きで、乏しい小遣いを早川や創元のSF文庫を買うのに費やしていました。小説に出てくるコンピューターって格好いいなぁ、俺もコンピューターを操作したい、そんな思いを強くしていました。

 

中学生のころ、NECPC-8001を筆頭に、いくつかの8ビットパソコンが世の中にありましたが、システム一式を買うと何十万円もします。実家がとても貧乏だった私には到底出せる金額ではありません。

 

そんな中、ちょっとだけ割安だった日立のベーシックマスターLevel3というパソコンがありました。割安と言っても本体だけで20万円します。そのベーシックマスターが近所の日立の家電店のショーウィンドーに飾られていました。通学途中、そのベーシックマスターを眺めては、欲しい、けど買えない、ハーッとため息をつく毎日でした。当時はパソコンを操作したいというか、プログラミングをやりたいという思いが強かったです。

ベーシックマスター - Wikipedia

 

ある日、中学の裕福な級友が「パソコンを買ってもらったから見に来いよ」というので、その子の家に行ってみると、机の上にシャープのMZ-80Bが置いてありました。

MZ-80 - Wikipedia

 

MZ-80Bは本体とディスプレイと外部記憶装置であるカセットテープドライブが一体となった、オールインワンパソコンです。

 

その級友は、マイコンBASICマガジンに掲載されていた月着陸船ゲームのソースコードをMZ-80Bに打ち込んでおり、僕たちにプレイさせてくれました。今から思えば他愛無いゲームなんですが、当時の私は感激至極でした。いいなーいいなーパソコン欲しいなー、とさらに思いを強くすることになります。しかしMZ-80Bも30万円ぐらいします。生活の苦しい親に「パソコン買ってくれ」なんて言ったらぶっ飛ばされます。

 

パソコンは買えない代わりに、「マイコンBASICマガジン」を買ってきては記事を読んで無聊を慰める毎日でした。そのマイコンBASICマガジンのある号に、「シンクレアZX81」というホームコンピューターが紹介されていました。

シンクレア ZX81 - Wikipedia

 

安い!ZX81は3万円か4万円ぐらいです。ディスプレイは家庭用のテレビ(当時当然ブラウン管)を利用する小型コンピューターです。これなら買えるんじゃないか、と胸をときめかせましたが、記事のレビューではどうもネガティブな意見が多かったです。曰く、メモリが1キロバイト(!)しかなく容量が狭すぎる、曰く、さすがに(当時の)テレビに文字を表示するのは品質が低すぎて実用に耐えない……。それ以前に私が住んでいた田舎では、ZX81はどこにも売っていませんでした。

 

結局、私のパソコン欲しい欲しい病が何で収まったかというと、高専生だった時に買ったカシオのPB-100というポケットコンピューターでした。PB-100については稿を改めます。今日はこのへんで。思い出話ばかりですみません。