懊悩煩悶ブログ

物欲にまみれたサラリーマンの悪戦苦闘記録

FX-602Pの思い出

私は、高校/大学へは進学せず、高専へ進みました。実家が経済的に苦しかったため、お金のかからない高専を選びました。

 

高専は理系ですから、授業で関数電卓が必要になります。うちは貧乏だったのでシャープの一番安いやつを買いました。それでも6,000円ぐらいしたかな。ごくごく基本的な機能しか付いていない関数電卓でしたが、実用には困ることはありませんでした。

 

級友たちも貧乏な子ばかりなので、皆一様に安い関数電卓を使っていました。

 

ところが、一人だけ、カシオのFX-602Pという高価なプログラム関数電卓を持っている級友がいました。母子家庭の子で、そんなに裕福なはずはないのですが、定価で29500円もするブツを持っていて、ちょっと謎でした。

FX-602P - Wikipedia

 

FX-602Pは、それはそれはイカした関数電卓でした。ドットマトリクスの液晶でアルファベットも表示できるというのは、他にはない機能でした。プログラミングに使うキーがたくさん付いていて、ガジェット好きな男の子にはたまらない逸品でした。外装もアルミニウムでできており、今の電卓のプラスチッキーな安っぽさはなく、高い質感を持っていました。

 

プログラミング機能は、今から見ると原始的ですが、当時はとても機能の高いものでした。マイコンBASICマガジンに、トランプゲームのソースコードが載っていたりしました。件の級友も、ゲームソフトを入れてみんなに見せびらかしていました。

 

その級友に少しFX-602Pを触らせてもらい、ああ、いいなあ、欲しいなぁとジリジリ焦がれる物欲を感じましたが、定価29,500円では貧乏な私には手が出ません。指をくわえて見ているだけでした。

 

でも欲しい、手のひらに乗る電卓でプログラムが組めるなんて、まるでSFじゃないか、と当時思っていたものです。

 

ファンサイトによると、FX-602Pは1989年ごろまで販売されていたようです。ということは、社会人になってからでも買うことはできたわけですね。現在はもちろん現品の入手は困難ですが、iPhone/iPad用にFX-602P simというシミュレーターアプリがリリースされています。360円。普段づかいの電卓としても使えるな、と手持ちのiOSマシンにインストールして使ってみました。ううーっ、青春の甘酸っぱい思い出がよみがえります。懐かしい。しかしマニュアルが無いので、プログラムを組むことができません。

 

App Storeのコメントによると、カシオに問い合わせるとマニュアルのコピーが入手できるらしい。ホントかな。また海外のサイトから英語版のマニュアルのPDFがダウンロードできますが、これが法的にOKなのかどうかはよくわかりません。カシオに問い合わせてみるか……。

 

     *     *     *

 

恋い焦がれていたFX-602Pですが、実は結局購入することはありませんでした。高専在籍中はどうしたかというと、FX-602Pの次に、FX-602Pに並ぶエポックメーキングなガジェット、カシオのPB-100というポケットコンピューターに心奪われていたのです。

 

PB-100についてはエントリーを改めて書きたいと思います。

 

それではまた。